CDジャケットを制作する場合には著作権に要注意

CDジャケットを制作する場合には著作権に要注意

知らないでは済まされない大事な著作権

さまざまな音源などを作り、CDジャケットを作成して一つの作品にするのは楽しみもあります。オリジナルの作品が出来上がるうれしさもありますし、他にはないものとして配布したり販売したりすることも視野に入れて作ることもあるでしょう。しかし、新しいものを制作するときに注意しなければいけないのが著作権です。

日本の著作権法は、知的財産権を守るために制定されました。そこまで歴史は古いわけではなく、昭和45年に制定された法律です。社会の発展とともに保護することが必要になったものを守れるよう定められました。著作物の創作者に対して権利をはっきりさせることが目的となっています。

著作権の対象となるものは創作物や表現物であるといった条件を満たしているもので、表現された創作物であれば、音楽や美術、文芸といったものも対象です。ただし日用品などは基本的に対象外となっています。多く生産されている工場生産品は対象から外れ、衣料品なども属します。これは実用性の高いものに著作権を認めることで産業が後退してしまうことを防ぐためです。

CDジャケットにも基本的に著作権が発生することとなり、権利侵害とみなされると、侵害していると思われる行為が差し止められたり、損害賠償を請求されたりします。また、権利を侵害したことによって信頼が損なわれた場合は、名誉回復のための措置を行うこともあります。罰則としては5年以下の懲役刑が科されることもあり、罰金の場合は500万円以下と定められているため、十分な注意が必要です。

必ず許諾を得てから利用する

著作物を用いて何かをする場合には、複製、つまりコピーを行うこととなります。著作物を複製することには複製権という権利があり、本であれば出版社、cdであればレコード会社などがこの複製権を行使して販売を行います。しかし、この複製権はあくまでも作者から許可を得て行うことができるもので、作者の許可を得ていない第三者がこの権利を行使することはできません。

例外として、私的利用のために複製することは認められます。私的利用はあくまでも個人的に使用する範囲で複製をするということで、CDジャケットを個人で楽しむために保管しておくことは問題ないと判断されます。逆に言うとこういった範囲を外れて何かに使用する、つまりCDジャケットをそのまま自作のcdに流用して販売する、といった行為は明確な違反となります。

また、有名人の顔写真をCDジャケットに使用することはNGです。写真などには肖像権があるだけではなく、テレビなどで放送されたものをCDジャケットにしたりすれば、番組の著作権を侵害する可能性も出てくるため注意が必要です。

著作権は、非常に難しい内容を含みます。使う側が自分たちの都合だけで解釈することは大変危険です。創作者の権利を保護することが目的であり、CDジャケットでも権利が侵害されたことが分かれば、差し止め請求権を行使することができます。原則は親告罪ですが、海賊版などの撲滅を目的に非親告罪としての範囲も広がっています。フリー素材ではないものを使用する場合には、必ず使用に関する許諾を得るようにしましょう。

画像やフォント、独自性のあるものには著作権がある

自作でCDジャケットを作成する場合には、使用する写真やイラストなどの素材は著作権フリーのサイトからダウンロードする、もしくは自身で手掛けたイラストなどを使用するといった対策が必要です。ただし、フリーのサイトに掲載されているものであっても使用できないこともあります。

例えば、私的利用の範囲でのみフリー、商用利用目的での使用は不可、といった記載があるサイトの素材は使用することができません。許可を得られた場合には可、と記載されている場合はサイト運営者へ許諾を取る必要があります。使用する前にサイトの表記を十分に読むようにしましょう。

これは写真などの素材だけではなく、使用するフォントに関しても同様です。かっこいいCDジャケットを作りたいので、インターネット上からロゴとなるフォントを探して使用したいと考えている、ということもあるかもしれませんが、実はフォントにも著作権が発生することがあります。

一般的なフォントの場合はデザインに著作権はないものの、美術性のあるフォントと認められた場合には見た目に著作権が認められる可能性があります。美術性の有無は個人での判断が難しい部分もあるため、基本的には著作権フリーのものを使用するのが良いでしょう。また、フォントを使用する場合には、作成者もしくは作成したメーカーからライセンスを得てデータを使用します。その際の契約内容に商用利用してはならないと書いてあった場合には使用できないと考えましょう。

もともとはデジタルデータであったものを手書きにした場合にも、確実に著作物をまねして作ったものは権利を侵害していないわけではありません。特にきっちりと模写されたものは手書きであってもNGとなることもあるため、必ず新たに作成したものや著作権フリーの素材を使用してCDジャケットを作るようにしましょう。

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