CDジャケットは折り方や印刷方法で異なる印象を与えられる

CDジャケットは折り方や印刷方法で異なる印象を与えられる

CDジャケットのそれぞれの名称について

近年、大手のレコード会社に入らなくても、自分で作詞作曲した音楽やカバー曲、演奏した楽曲をCDで販売することができるようになりました。特にSNSで情報を発信することによって、販促活動も比較的容易に行えるため、ライブ活動や路上ライブでもCDを販売することが可能です。CDはパソコンなどで簡単に自作できますが、CDジャケットを自分で作成するには少し技術が必要です。また、CDジャケットをメジャーレーベル風に、本格的に作成したいのであれば、専門の印刷会社にお願いした方が良いでしょう。現在ではオリジナルのデザインで作成してくれるところがたくさんあります。

CDジャケットにはフロントジャケット、バックインレイ、帯の三種類があります。フロントジャケットはCDの表面に入れ込むもので、タイトルやアーティスト名などが印刷されています。内側には歌詞を印刷することもあるでしょう。バックインレイはCDの裏面とトレーとの間に入れ込むもので、曲名や価格が記載されているのを見かけたことがある人もいるでしょう。CDトレーが透明なタイプもありますが、その場合は内側にも印刷をすると、CDを取り外した時にもインパクトを与えることができます。一般的なサイズの場合は両脇にミシン目があるので、折り方のガイドとなります。

フロントジャケットとバックインレイだけでも良いのですが、CDケースの外からかぶせる帯を付けることもできます。帯にはタイトルやアーティスト名、金額を印刷します。一般的なケースの場合は中心部分が10.5mm程度で、両脇にミシン目の折り方ガイドが入っています。スリムケースの場合は5mm程度ですが、スリムケースにはバックインレイがないので、縦置きにした時に判別しやすくなります。

フロントジャケットの折り方について

CDジャケットのフロントジャケットには折り方がいくつかあります。1枚に表と裏を印刷するデザインが最も簡単で値段も安価です。印刷面が2ページになるので印刷業者の案内では2Pとなっています。2Pと言われると2枚だと想像してしまいがちですが、印刷面で数えているため、実質1枚の表裏であることを間違えないようにしましょう。フロントジャケットには歌詞を記載することが多いものの、2Pでは1曲分から2曲分ほどしか記載することができません。そのためクラシックやジャズなど、歌のないインスト曲に向いています。

2P以上は4P、6Pとなり、4Pは二つ折り、6Pは巻三つ折りとなるところがほとんどです。8P以上になると十文字折り、蛇腹折り、観音折りから選ぶことができます。十文字折りは1枚の紙を十字に四つに折りたたむ方法で、大きな写真などを印刷することもできます。蛇腹折りは端から山折り谷折りにして、蛇腹になるように折りたたむ方法です。観音折りは両端を内に折り込み、さらに二つ折りに刷る方法です。8P以上の枚数になると中とじという、真ん中をホチキスで止めて週刊誌や雑誌のようにとじたタイプを選ぶ人が多いです。

CDジャケットの場合は、厚めの用紙に印刷することがほとんどです。用紙は重さは連量で表現します。用紙1,000枚の重さを1連と表現し、1連の重さを連量といいます。コピー用紙は上質紙で、連量55kg程です。連量110kg以上ともなると厚みがあるとされますが、CDジャケットは連量130kgのコート紙などを使っているところが多くなっています。複数の印刷方法で使用でき、発色もよくきれいに仕上がります。ただし厚みのある紙は折り曲げる時に、折り目部分の用紙が割れて印刷がはがれてしまう背割れが起こりやすくなります。これを軽減するために、スジ入れ加工をしてから折り曲げるという方法もあります。

CDジャケットを作成する時の注意点

CDジャケットを印刷する時の方法は、オフセット印刷とデジタル印刷があります。オフセット印刷は使用できる色が多いことから、文字や写真を明瞭に再現できる印刷方法で、商業系の印刷物の多くで使用されています。ただし、最初に製版する必要があるため小ロットでの印刷は1枚あたりの金額が高価になってしまうことがあります。デジタル印刷であれば製版の必要がないことから費用を抑えられ、小ロットでの印刷に適しています。しかし使用できる色は限られてしまうので、オフセット印刷のような鮮明な仕上がりにはならないこともあります。

もし印刷の費用を抑えたいのであれば、モノクロ印刷で仕上げる方法も有効です。デザインを鑑みて問題無い場合、モノクロ印刷特有のイメージで洗練された仕上がりにすることもできます。デザインや曲調などを踏まえてフルカラーかモノクロかを選ぶと良いでしょう。例えば、クラシックやジャズなど歌詞は必要ないフロントジャケットで、2Pをモノクロ印刷にすればかなり費用を抑えることができます。

デザインを入稿する時は、依頼する業者のテンプレートを使用することがおすすめです。他社の物を使用すると、データのチェックや変換作業を行う必要性が生じることもあるためです。折り方によってテンプレートが区別されている場合もあるので、その際は必ず希望の折り方のタイプを使用して、各ページにあたるところを間違えないようにデザインしてください。

カラー印刷の場合、パソコンなどで見ている色と印刷した時の色は違ってしまうことがあります。これはパソコンは加法混色という色を加えれば加えるほど白くなっていく混色方法なのに対して、印刷物は色を加えるほど黒くなっていく減法混色を使用しているからです。思い通りの色で印刷したい場合は、しっかりと色指定を行いましょう。

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